永田竹丸と原一司展-トキワ荘MMコレクションvol.3-

永田竹丸「ロボットS1号」原画 原一司「ロボット.S1号」
会期:12.6(土)~2026年3.22(日)
|| 会場
豊島区立トキワ荘マンガミュージアム2階15号室 (東京都豊島区南長崎3丁目9-22)ほか
||開催概要
今回のトキワ荘MMコレクション展では、マンガ家の永田竹丸(1934~2022)と原一司(1915~1957)の師弟としての関係性に注目しながら作品を紹介していきます。永田竹丸と原一司が直接交流した期間は約5年間と短いですが、作品の継承活動を含めると数十年にも及んでいます。
そもそも二人の出会いは雑誌『漫画少年』昭和26年12月号に掲載された「原先生をかこんで豆漫画家の座談会」で、原のインタビュアーとしての永田の参加が契機です。この座談会で当時17歳だった永田は「幼年向きの生活漫画がかきたいんです。ヨウちゃんのような」と言及しており、この時期から幼年マンガを描くことが自身の目指すべき道として見定められていたことがわかります。そして、永田は原のことを尊敬していたことがこのインタビューから読みとれます。
他にも両者の師弟としての関係が垣間見られるエピソードがあります。それは原の代表作の一つ『ロボット.S1号』が描き下ろし作品として東京漫画出版社で発表された後、『幼年クラブ』で描き下ろしの再掲という形で連載することになっていました。しかし出版社が原稿を紛失しており、原自身も病気で体調が万全ではなかったため、代筆に永田が指名され作品を引き継ぐことになります。その後、原が描いた『ロボット.S1号』のストックが無くなってからは、永田が原案を構成して、『たのしい3年生』、『幼年クラブ』などに約5年間にわたり連載が続けていくことになります。また、平成7年には『カンラ・カラ兵衛』復刊の際にも編集として永田が携わっています。師として尊敬していたからこそ、このような取り組みにも積極的に携わっていたのかも知れません。
作品の継承から「ロボットS1号」のキャラクターデザインの変化などに注目してみてください。
当館所蔵のコレクションの紹介も3回目を数えました。今後とも、どうぞご覧くださいませ。
||プロフィール
♢永田竹丸(1934年~2022年)
東京府(現:東京都)出身。
昭和27年(1952)、『漫画少年』で「まんが漫画新聞」でデビュー。以後、幼年向けから児童向けの作品を数多く発表する。トキワ荘住民との交流もあり、若手マンガ家集団『新漫画党』の初期メンバーでもある。沢井一三郎、原一司、芳賀まさお、田河水泡らに師事。1960年、『ピックルくん』にて第一回講談社児童漫画賞受賞。代表作は『ピックルくん』、『キャラとメル』。
♢原一司(1915年~1957年)
東京府(現:東京都)出身。
戦前から漫画家としてのキャリアがはじまり、戦後には児童向けの漫画作品『ヨウちゃん』などを発表している。戦後からは人気漫画家のひとりとして、『漫画少年』の「読者の漫画」で投稿作品の批評を行っている。代表作は『カンラ・カラ兵衛』、『ロボットS1号』。
<トキワ荘MMコレクション展バックナンバー>
vol.1 森安なおやとよこたとくおの貸本マンガ展
vol.2 トキワ荘の植物-トキワ荘MMコレクション展vol.2-
|| インフォメーション
会期
令和 7年12月6日(土)~ 令和 8年3月22日(日)
開館時間
10:00から18:00(入館は17:30まで)
休館日
月曜日(祝日の場合は翌平日)、12月29(月)~2026年1月3日(土)
入館料
同期間中に開催する特別企画展「いのまたむつみ回顧展 創作の歩み」特別観覧料でトキワ荘マンガミュージアムを全てご覧いただけます。
特別企画展の詳細はこちら
➤特別企画展「いのまたむつみ回顧展 創作の歩み」
|| 関連事業
・会期中に本展示のギャラリートークを行います。
日時:2025年12月28日(日)16時
集合場所:2階15号室(16時にお集まりください)
お申込み方法:各開催日当日、15時から1階受付(正面玄関)にて整理券を配布します。
主催等
主催:豊島区立トキワ荘マンガミュージアム



